日経の記事のタイトルが目を引いた。現在の大学の英語教育が大きく変わろうとしているのである。AIによってより良い英作文が提案されるようになっている。また英語の翻訳もよくなっている。だが、学生たちをそれを鵜呑みにするのではなく、うまく取捨選択して、何かのテーマについてもっと深く考え、まとめ、相談し、アウトプットできるようになっている、というのである。そこで記事の一部を引用する
ICTを必要不可欠なツールととらえてきたPEPにとって、機械翻訳や生成AIの活用は必然的な選択だった。教師がいない時でも英文を添削し、多様な表現を提案してくれる歓迎すべきパートナーだ。
このような授業を10年以上続けてきて痛感していることがある。これまで「書く」「聞く」「話す」「読む」という4つの技能に分類されてきた言語能力の考え方を、大学では根本的に改めるべきではないだろうか。我々のプログラムでは新しい4技能とでも呼ぶべき能力観に高い可能性を見いだしている。
それは(1)プロジェクトに必要な情報を調べる(リサーチ)(2)調べた情報をまとめる(オーサリング)(3)まとめたものについて教員やクラスメートと意見を交わす(コラボレーション)(4)プロジェクトの成果を英語で発信する(アウトプット)――の4つだ。この4技能は英語に限らずあらゆる学術分野に共通の科学的リテラシー(活用能力)であり、いずれも現代ではICT抜きには語れない。
科学者や研究者だけではない。我々は何かを調べるときは検索エンジンや辞書サービスを使い、オフィスアプリでスライドや文書を書き、SNSで他者の意見に触れ、メディアを通じて何かを世間に発信している。学生が身につける必要があるのはそうした活動を「英語でやり抜く力」だ。そのためにAIの力を借りても構わない。
日経記事2023年11月7日朝刊
「AI時代の大学英語教育、「4技能」の定義変えよう」
木村修平・立命館大学教授
確かにこの教育が必要になってきている。